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【本】「原因と結果」の経済学 ☆5

「因果推論」の基礎を非常に分かりやすく解説している。
統計学機械学習など流行っているが、初心者は因果関係と相関関係を一緒に考えてしまいがちなので、「因果推論」は誤解を防ぐために必須の知識だと思う。
以下、概要

・因果関係を確認する3つのチェックポイント
①全くの偶然ではないか、②第3の変数は存在しないか、③逆の因果関係は存在しないか

・因果関係を調べるには「反事実」と比較する。実際にはタイムマシンがない限り、本当の反事実は発生できないので、経済学者はもっともらしい値で埋めようとする。具体的には以下のような方法がある。
ランダム化比較試験:理想系、実験で比較する
メタアナリシス:複数の研究結果を一つにまとめたもの
疑似実験:観察データと統計的な手法を用いて実験を実施した状態を疑似的に作りだす(差の差分析、操作変数法、回帰不連続デザイン、マッチング法など)
回帰分析:疑似実験もできないようなデータから分析する。単回帰分析と重回帰分析がある

・内的妥当性と外的妥当性。たとえば、米国人の実験結果が、体格が異なる日本人に当てはまるとは限らない

・因果推論の5ステップ
①原因は何か(具体的に)、②結果は何か(具体的に)、③3つのポイントを確認、④反事実を作りだす、⑤比較可能になるように調整する

・ABテストもランダム化比較試験の一種

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法