のっちょちょ

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【本】経済と国民 ☆4

ドイツの政治経済学者リストの学説をもとに、自由貿易の危険性を説く。(著者は保護貿易の方が国益になると考えている。)
難しかったが、前半は以下のような内容だと思う。

自由貿易の1つの考え(リカードの定理)は、極端な仮定を前提としており、現実には当てはめられない。
例えば、労働は常に完全雇用、自由に流動できる。生産は規模に関して収穫不変 など
・実際には生産規模が大きくなると「収穫逓増」するので、グローバル化により海外から安いものが流れてきて、国内の生産規模が小さくなると、GDPが大きく低下する。
・別分野の仕事へ変えることは簡単ではないので、非熟練労働者の賃金が下がる
・技術開発投資にかけられるお金が減り、将来の産業も成長しない
・金融の規制緩和は、投資家による短期的な利益要求を生み、企業は長期的な投資が難しくなった。

・経済発展は「分業」と「結合」による収穫逓増現象。それを支えるのが「制度」。例えば、法律、貨幣、輸送手段、警察、司法制度
・輸送手段は大事なインフラ。道路、鉄道網などにお金をかけるのは効果がある。

自由貿易は世界的の資産をゼロサムで奪い合う傾向があるので、
国内の産業を保護して、育てて、「収穫逓増」して経済成長させていくべきという考え。
と理解した。

経済と国民 フリードリヒ・リストに学ぶ (朝日新書)

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